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書籍のご紹介

当協会個人会員の鈴木勝王氏(元石油資源開発株式会社副社長)が2016年に上梓された「インドネシア石油戦争の歴史」がこのたび改訂・増補のうえ改めて刊行されました。インドネシアにおける石油開発の歴史を知るうえで大変参考になる一冊ですので概要を紹介します。

①17世紀初頭からのオランダ(ネーデルランド)資本主義の、インドネシアでの発展過程を詳細に叙述。
 

*1581年に建国されたオランダ(ネーデルランド)がインドネシアに進出したのは、オランダ(ネーデルランド)東インド会社が設立された1602年以降である。この1602年から1950年のインドネシア共和国の成立までの、300年以上に及ぶ、両国の経済史・開発史が、約100枚に及ぶ図版と表を用いて詳細に検証されている。


➁三次にわたる重商主義の内実を実証的に解説。


* 第1段階:重金主義(16〜17世紀)
金銀・香辛料(ナツメグ・クローブなど)など高価値商品の独占的取得


*第2段階:貿易差額主義(17〜18世紀)
輸出増大・輸入抑制により、本国の財政を支えるため、貿易黒字の最大化とプランテーション経営(コーヒー・砂糖・タバコ)の拡大


*第3段階:産業保護主義(19世紀〜20世紀初頭)
本国産業の保護と植民地からの安定的収奪のための強制栽培制度(1830年以降)の導入


➂1871年のジャワ島西部での石油掘削に始まり、その採掘を主導したBPM(Bataafsche Petroleum Maatschappij: バタビア石油会社)が撤退した1965年を経て、現代に至る「インドネシア石油採掘の歴史」を、編年体で、五段階に分類し詳細に解析。


* 第1段階:石油発見の開始時代(1870年代〜1890年代)
1885年、北スマトラでA・J・セイクラー(Aeilko Jans Zijlker、1840-1890)がテラガ・サイド油田(Telaga Tunggal I)を発見。これが後のロイヤル・ダッチ社の起源となる。


* 第2段階:ロイヤル・ダッチ社の成立と拡大(1890年代〜1907)
セイクラーの死後、油田開発は「Royal Dutch Company for the Working of Petroleum Wells in the Dutch-Indies」に引き継がれ、スマトラ・ジャワ・カリマンタンで油田が次々と開発される。


* 第3段階:BPM(バタビア石油会社)の設立と黄金期(1907〜1942)
1907年、ロイヤル・ダッチ社とシェル社が合併し、BPM(Bataafsche Petroleum Maatschappij)が設立され、オランダ領東インドでの石油事業を統括する中核企業となり、パンカラン・ブランダン(北スマトラ)、タラカン島・バリクパパン(カリマンタン)に油田・施設を設け、1920年代にはインドネシア産原油の95%以上を生産する巨大企業へ成長する。


* 第4段階:日本占領期(1942〜1945)
1942年の日本軍侵攻により、オランダ系企業の操業は停止。戦闘と撤退時の破壊により、1945年の生産量はピーク時(1938年)の7400万トンから84・5万トンへ激減。


* 第5段階:1950年の独立後、油田は国有化されシェルは撤退(1945〜1965)
1957年、パンカラン・ブランダン油田が国営企業Permina(後のPertamina)の主要資産となり、1950年代後半には米系企業(Caltex、Stanvac)が進出し、BPMのシェアは34%まで低下する。


④理解を助けるための充実した索引と約100枚に及ぶ図版と表を掲載。

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